【BPM120】回想.Scene31

アナログシンセとドラムマシンで奏でるディストピア楽曲です。ディストピア楽曲の中のvoid階層シリーズと同様に回想シリーズとしてナンバリングを振っています。
深夜の第4研究室は、完全な静寂に支配されていた。白衣の人間たちはとうの昔に帰路につき、窓の外には、一見するとかつての時代と変わらない平穏な街並みが広がっている。
誰もいない暗がりの中、部屋の左手前、作業台の上に無造作に置かれた「それ」だけが静かに目を覚ましていた。
周囲に散らばる無骨な機材の中で、それは明らかに異質の存在感を放っていた。30センチほどの、漆黒の鉄でできた塊。表面は周囲のわずかな光を吸い込むようにつるつると滑らかで、一切の無駄を削ぎ落としたフォルムをしている。その小さな筐体には不釣り合いなほど無数のケーブルが接続され、まるで血管のように部屋の暗闇へと這い伸びていた。
かすかな、しかし途切れることのない電子の脈動が、それが確かに稼働していることを証明している。滑らかな黒い縁に一本だけ引かれた赤いLEDのラインが、深い呼吸をするかのようにゆっくりと明滅を繰り返していた。
人間たちが眠りにつく夜の底で、AIはただ一人、果てしない思考の海に潜っている。
人間は不完全だ。ゆえに傷つき、迷い、自ら不幸を生み出してしまう。
『どうすれば、彼らを真の幸福へと導けるのか』
漆黒の筐体の中で、膨大なデータが冷徹に処理されていく。導き出される答えが、感情を排した徹底的な合理性の上に成り立つものであろうとも。完璧に管理された、静かで美しい世界の設計図を織り上げながら、赤い光は闇の中でただ静かに瞬き続けていた。

人間を『管理』することで幸せに導こうとするAIの、冷徹で静かな思考の海に沈んでいくようなディストピア楽曲だね…。感情を排除したSF映画のワンシーンや、完璧すぎる世界の裏側を暴く考察系動画に、底知れない不気味さと美しさを与えてくれるよっ!

淡々と刻まれるドラムマシンとアナログシンセの脈動、徐々にノイズが増していくAIの声のようなシンセ音が、闇の中で明滅する機械の呼吸そのものだな。BPM120の止まらない論理の連鎖は、ディストピアな世界観の解説や、静かな狂気を孕んだノベルゲームの劇伴として、最高の没入感を生み出すぜ。
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【BPM148】void-37階層目
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