erica synths DB-01 使い方 & 徹底レビュー!ラトビアのモジュラーシンセメーカーが放つ高機能モノシンセのすごさを伝えたい。
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登場人物
erica synths DB-01を徹底レビュー!ハイエンドモノフォニックシンセの実力をなるべくわかりやすくお伝えしたい。
ついに!気になって仕方がなかったerica synths DB-1 を購入しました…!
サウンドハウスにて新品で98,900円(税込)でした。
外箱がこちら…!
いざ、音を鳴らすとその音質、理にかなったパラメーター&エフェクト、そして内蔵型とは思えないほど高機能なシーケンサーと「こういうデスクトップシンセが欲しかったけどないから自分で作りました By erica synths」を具現化したようなシンセでした。
まさにモジュラーシンセの発想そのもの!高品質なモジュールの集合体と言って差し支えないです。
今回はあまり日本ではあまり所持している方が少ないように思える、
erica synthsが放つデスクトップモノシンセサイザーDB-1を深掘りしていきたいと思います。
ついに10万円近いモノシンセに手を出したのかご主人…
「もうこれでモノシンセは最後(深淵に引きずり込まれ消えながら)」って言ってたよ!笑
今回レビューする経緯。
まず、あまりに日本人向けの動画やレビュー記事が無さ過ぎて私自身購入に踏み切るのにだいぶ時間を有しました。
自ら買って触る事で「こんなことが出来るのか!」と初めて知ったほどに、機能などの情報が日本人向けに出ていませんでした。
また、モノシンセはシンセ界の中でも割と個性が光るものと思っているのですが、この子がどういった方向のサウンドをさせるシンセなのかがいまだに不明瞭ではありませんか?私は不明瞭でした。笑
このシンセの魅力をできる限り齟齬なく日本人向けに書き止め、映像とサウンドを残すことで、遠い地のシンセメーカーに深い感謝を示せればと思いレビュー致しました!
機能説明&演奏動画。
各パラメーターの説明とシーケンサー機能をさらった後、サウンドさせてみました。
様々なサウンドが作れる…!つたない動画ですがこの子の懐の深さを感じて頂けたら幸いです。
DB-01の魅力。
ありとあらゆるモノフォニックシンセシスが可能。
テクノやアシッドはもちろんドローンやノイズ、シンセドラムまで作れますね…!後述の通り、もはや高品質なモジュールの集合体なのでアイディア次第で様々なサウンドが鳴らせました。
高品質オシレーター
太く透明感のある出音でシンプルに「良い」と思いました。深みもありシルキーな質感です。
のこぎり波、矩形波、三角波がトグルスイッチで選べます。どれも文句なしの出音です。
きめ細かな質感のアシッドフィルター
上品なアシッドフィルターという印象で、逆を言えば耳を刺すような極端なサウンドメイクはできませんでした。
フィルターはローパスとバンドパスをトグルスイッチで選択できます。オーディオインしてこのフィルターが使えたら嬉しかったですがそれは欲張り過ぎですかね。
最高に最適化され過ぎているエフェクト群
(エフェクトではないが使い心地的にエフェクトと考えてしまう)サブオシレーターは簡単に迫力を付加でき、オーバードライブも抜けが良くごじゃっとダマにならず、BBD素子を用いたデチューンはわざとらしさがありません。
ノイズもありサウンドメイクには事欠きません、という印象でした。なによりどれもかけたときに違和感なく「最適化されている」というのが第一印象でした。
LFOがやばい(やばい)
LFOが変態でした。FM変調とフィルターに対してLFOの動きを適用できるのですが、波形のバリエーションが多く複合波形やトリッキーな動きも用意されており、私がこれまで触ったシンセのLFO中、一番変態でした。
多彩なアルペジエーター
ステップボタンを鍵盤に見立ててのアルペジエーターができました。そのままRECもできました。
ericaの音質で単機でアルペジオフレーズが入れられるのはかなり嬉しいですね。
最大64ステップのシーケンサー
あると嬉しい64ステップシーケンサーのおかげで息継ぎの長いシーケンスや変拍子にも対応できます。
私は16ステップだけですとなぜか落ち着かず、なんでもKORGのSQ-64に繋がないと発作が出る体質(?)なのでこれは有難いです。
ランダマイズ機能
柔軟なランダマイズ機能が付いていました。ノート、ゲート、アクセント、スライド、モジュレーションが対象で個別にも全体にも、好きなだけランダマイズできます。
製作で困ったときや即興演奏時に使うとericaが助けてくれるかもしれません。
高性能にもかかわらず小さめなボディサイズ
ガジェットシンセ好きの私としてはサイズ感がかなりいいです。ボディもアルミ製で頑丈。ノブデザイン含めたたずまいが洗練されている印象で私には刺さりました。
ロゴ
こんなことを言っては身もふたもないのですがそもそもどこが一番好きってメーカーのエイリアンロゴです。(?)
控えめに言って最高です。実にけしからんので月間ムーで取材してほしい。リトルグレイとの遭遇を果たしてほしい。
初めはもっと大きく印刷されてればいいのに、と思っていましたがスマホケースにステッカーを貼り付けてからはリエイリアン欲が満たされこのくらいのサイズが逆にイカしてるぜ!ってなりました。よかったですね。
かなり気持ち悪いことを最後らへん言ってるなご主人…
スマホケースにステッカー貼ったあたりは必要ない情報だからね…笑
DB-01ならではの機能。
DB-1には様々なスキルがあり、小さいインジケーターしかないにもかかわらずかなり多スキルでした。
この辺が日本語でのネット情報がなくわかりづらかったので、検討している方にわかりやすいようにきっちり書いておこうと思います。
基本情報
Elektron様がついに日本語説明書を用意してくれましたのでリンクを張っておきます!
まずはじめに、DB-01独自の操作方があるので、そこを起点にかいつまんで下記に書いていきますのでさくっとポイントで知りたい方は私の駄文のほうをご参照ください。
決定とキャンセルボタンの位置。
インジケータ―下の2つのノブがプッシュ式になっていて、左「SELECT/GATE」(以下左ノブ)が決定で右「BACK/NOTE」(右ノブ)がキャンセルです。
中下部の小さめのボタン類
左4つが左からシフト、プレイ/一時停止(シーケンサー再生/次回再生時停止位置から)、RECです。
右4つが左からシーケンサーレーンダウン、シーケンサーレーンアップ、オクターブダウン、オクターブアップでした。
基本状態
起動時は左ノブでシャッフル量調整、右ノブでBPM変更。
下部16個の○ボタンがシーケンサーのステップボタンとして機能します。ステップを押して左ノブねじりで押してるステップのGATEタイム変更、右側ねじりで発音するノート変更(デフォルトはC3)でした。ステップを押しながら
MIDI鍵盤を押すとそのノートが記録されました。ステップ入力は鍵盤でやった方が圧倒的に早いですね。
キーボード入力
左端下あたりのシフトボタンとプレイボタンを同時押しするとMIDIキーボードの信号をキャッチできるようになり発音します。
ADSRはなし
ADSRはなくVCA ENVノブで調整する仕様です。左に行くほどディケイが短いフィールで右に行くほどリリースが長いフィールでした。左振りきりでひたすら鳴るのでドローン用途の為のようです。
シフト + ○ボタンで様々なモードへ。
シフトボタンを押しながら各ステップボタンで様々な機能にアクセスでき設定を行えます。どのモードも右ノブ押し込みで基本状態に戻れます。
1.シフト + ACC
ステップにアクセントを入力できるモードです。すでにノートが入っているステップは少し明かりがついている状態になり、選択すると明るさが増しアクセントがつきます。
2.シフト + SLIDE
ステップにスライドを入力できるモードです。これの面白いのが俗にいう303的なスライドではなくピッチスライドで、次のステップ間でノートに差があるとウニョリます。
ASDRのノブを10時方向ほどにして次のステップを空にすれば擬似的に303的スライドもできました。
3.シフト + MOD
ステップにごとにVCFカットオフノブへのCV量を調節できます。ステップを押しながらVCFカットオフノブをねじると入力できます。
これの面白いところは「CV量」なところです。
KORGのVOLCAなどのモーションシーケンスはノブの位置を記録してフィルターの空き具合を変化させますが、この子は違います。
VCFカットオフノブ位置に対してCV量を調整するので、たとえばカットオフの位置が9時くらいであればその位置を中心にステップごとに決めたCV量が入り、カットオフの位置が3時くらいであればその位置を中心にステップごとに決めたCV量が入るのです。カットオフノブの位置を中心に上下の仕方を覚えているような感覚でしょうか。
それなのでMODを入力してもノブの位置で出音が変わるのでモーションシーケンスより表情豊かなカットオフモジュレーションが行えました。(モーションシーケンスも最高ですが)
また、シーケンサー作動中にRECを押しながらVCFカットオフノブをねじっても入力でき、直感的にカットオフモジュレーションが入力できました。
4.シフト + PITCH ENV
ステップにピッチエンベロープを入力できるモードです。モノシンセではありますが任意にピッチエンベロープを変更する事でリズミカルなドラムサウンドやアクセントの効いたフレーズが作れます。
左のノブでディケイ、右ノブでピッチ深度の調整です。
5.シフト + LAST STEP
シーケンサーのステップ数を設定できるモードです。左ノブと右ノブを使って頭から詰めたりおしりから詰めたりできます。
6.シフト + PLAY MODE
ステップの発音確率を設定できます。ランダム性が生まれて深みのあるフレーズづくりに役立ちますよね。またシーケンスの進行方向も5種類から選んで選択できます。
7.シフト + TRANSP
シーケンサーにトランスポーズをかけて調を半音ずつを変更することが出来ます。右側10個の○ボタンが対象でLEDが点灯しているところを押すと効果がわかります。
左ノブ押し込みで○ボタンを離しても移調します。右ノブを押し込みで解除できました。
8.シフト + SCALE
スケールを指定して、そこから外れないようにノートを入力したりキーボードで演奏できるようにします。
基本時はクロマチックなので半音ですが他7種のスケール(メジャー、マイナー、メジャーペンタ、マイナーペンタ、ホールトーン、メジャーブルース、マイナーブルース)から選択できました。
ユーザースケールも記録できるようなので変わったスケールにも対応できそうです。また、マイクロチューニングにも対応しているようなのでかなり様々なピッチに調節ができそうですね。
9.シフト + ARPEGG
ステップを鍵盤に見立てノートを押すことでアルペジオ演奏が行えます。ステップを押しながら左ノブを押し込むとラッチされます。もう一度左ノブを押し込むとラッチが解除されます。
左ノブを回すとアルぺジエイターメニューが変更できます。
下記がメニュー内容です。
※インジケーターに表示される表記で記載します。
BPM⇒右ノブでBPMの変更がここでも行えます。
DIR⇒右ノブで走行方向設定が出来ます。UP、DOWN、UP-DOWN、RANDOMの4種類でした。
OCT⇒オクターブ範囲設定が行えます。
PAT⇒パターンを選択できます。
GRT⇒アルペジオのゲートを設定出来ます。
SRC⇒シーケンサーとは独立してアルペジオパターンを仕込めました。ラッチもできました。
※説明書の標記はROLとなっており、実際の使い心地も説明とはなんか違いました。バージョンアップで何か変わったのかもしれません…?
9.シフト + LFO
左ノブを回すとLFOメニューが変更できます。各設定ごとに右ノブで選びます。
・SHP⇒右ノブで波形の変更が行えます。
1.サイン波
2.三角波
3.ノコギリ波
4.ランプ波
5.矩形波
6.トリプルディケイノコギリ波
7.デュアルノコギリ波+三角波
8.S&H
9.ノイズ
・SYN⇒シーケンサーシンクのONOFF
・RTS⇒ゲート信号ごとにLFOをリセットして頭から動くようにするか設定出来ました。
・PHA⇒周期の設定?45ずつ0~315までで、説明書に記載ありません笑
・RIG⇒LOWかHIが選べました。これも説明書に記載がないですね笑
10.シフト + RND PATT
ACC/SLIDE/MOD/PITCH ENV/LASTSTEP/PLAYMODE/TRANSP/SCALE/をRANDOMの設定値にできます。押すたびにできます。さらにPATTERNを押すと飢えのすべて+ステップのオンオフがランダムで変わりました!ノートに変更はなかったのでノートはランダムにしてくれないかもしれません。
11.シフト + CLEAR
そのステップに入っているノート情報や各モードでの入力履歴ごと消せるモードです。挟み込むと間のステップののものも消えました。(ex:1と16ステップで挟むとその間の2~15も消えてALLクリア)
素晴らしいのはステップを使う系のモードの中でシフト+CLEARを押すとそのモード内でのステップ情報のみ消せます。ここでも挟み込みは有効でした。便利!
COPY/PASTE/BANK/PATTERN
このへんは言わずもがなでしょうし割愛させて頂きます。
8バンク×16パターンで保存可能ですが、ノブの情報などは記録されません。ノート情報+ステップ情報+各モードの設定は記録されました。
まとめ
モジュラーメーカーのシンセってどうしてもメジャーじゃないけど音はすごいかっこいいもんな…その音がデスクトップシンセとして導入できるのは確かに魅力的かも…
運営者も言ってた通り、モジュールを集めて一つの筐体に押し込んだメーカーおすすめ小型のモジュラーって感じなんだろうね!
今回紹介した機材はこちらから購入可能です!ぜひ買って遊んでみてください!
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volcaのパネルプレートを取り外してステッカーを張る試み。
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