発売から約10年。今更KORG volcakeysがすごいと気づくレビュー
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登場人物
今になって思うKORG volca keysがなかなかすごいという話
アナログシンセが好きです。(唐突)
FMシンセもデジタルシンセもプラグインでもシンセは面白いのですが、一応ジャズピアノでアドリブを追及していたことがある身として言わせていただくと、即興芸術としての面白さを秘めているアナログシンセはジャズミュージシャンとの親和性が高いと感じます。
いうほどジャズ演奏の動画あげてないやろご主人
ソロピアノっぽいのはたまにやってるみたいだけど、一人でアドリブしてる様をネットにアップしても何にもならないもんね…(笑)
なぜアナログが良いのか、について話し始めるとおかしくなる(?)ので前提として
「デジタルもアナログもそれぞれ良さがそれぞれあるのでどっちも最高に良いもの!」
という前提でお願い致します。
私の思うアナログのシンセの良さとは。
- 温かみのある音。
- 各パラメータノブを操作した時の滑らかな音像変化。
- 音が太い。
一言にアナログシンセといってもリードやベースに適したモノシンセ1や2音以上の和音が鳴らせるポリシンセ2など発音数ごとにもさまざまありますが、今回3和音以上ならせるポリシンセにフォーカスを絞ってみたときにKORG volca keysがなかなかすごいのではと再確認したので布教のために紹介してみようと思いました。
KORG volca keysとは
Korgが2013年7月13日に発売した3音同時発音可能なポリシンセです。現在2万以内で買えるポリシンセなんてほかにないのではないでしょうか…。
素敵ポイントを見ていきましょう。
アナログのポリフォニックシンセサイザー。
2万以下で本物のアナログシンセが買えるというところがすでにすごいことですね。
当時最高峰のプロフィット5(5和音)が当時150万、買いやすい値段といわれたジュピター4(4和音)が49万くらいだったと考えると、いい時代に生まれました…。
3音同時発音可能。
和音の構成するときに1が基音、5が1のサポート、3が和音の明るさ暗さと考えると、単機で3ポリであるというのはそれだけでだいぶ可能性を秘めています。
それに、Cの他楽器のベース音が鳴ってる中で、ルートを抜かしてこの子でD、F#、Bを鳴らすことでC△(9,#11)なんて和音が鳴らせると思うとポテンシャルが無限大です。
フィルターがminiKORG700S(1974年)の回路。
減算方式3のシンセにおいてフィルターが何なのかというのはかなり重要な話です。名のあるフィルターごとに特徴がありその特徴が人々を魅了するからです。
moogのシンセならやっぱりラダーフィルターを求めてしまうし、「何のフィルターを使っているのか」ということから音像を逆算することもできるわけですが、KORGの名機700Sのフィルターがこんなに小さい機体に搭載されているということがかなりユニークでこの子の魅力を押し上げています。
ディレイを内蔵。
アナログシンセを鳴らす際、雰囲気を大きく色づけるのはエフェクターなわけで、アナログオシレーターの素の音のみですとくっきりしすぎて浮いて聞こえます。その点この子はディレイ(やまびこ効果を生み出すエフェクト)を搭載していることでショートリバーブ的な使い方から、ディレイを交えたテクニカルなフレーズが作れたりと、輪郭をぼかすことができます。しかも!後記するシーケンサーにテンポ同期したディレイも打てる!痒いところに手が届く設計になっているのにこだわりを感じます…初代発売組なのに!!(volcaシリーズは全部で10種類あり最新作が2018年ですので5年も前から最新作と並べても遜色ない性能なのはすごいです!)
自動チューニング機能。
アナログシンセは温度でチューニングがずれてしまい正しい音の高さで発音しないことがあります。この子は最新の技術を搭載しており、10秒くらい何も触らないでおくと自動でチューニングしてくれます。なにげにすごい機能です。ニュートロンくんも見習ってほしい。
シーケンサ内蔵。
16ステップ、1小節分のループシーケンサーが搭載されていることにより、即興で音を録音し、その音の出方や音像などをノブをいじることで変えていきながら演奏できます。これが本当に楽しいし、1台じゃ物足りなくなる理由の一つです!本体に8フレーズまで保存できます。
もうこれなしではもう生きられない1。MOTION SEQUENCE機能。
KORG発案(だと私は思っている)機能で、ノブの動きをシーケンサーに合わせて記憶させられる機能です。これにより手が2本しかないのに4つのノブを同時に操作したりができるわけです。たまにKORG以外のガジェットシンセを触るときこれがなくてかなり味気なく感じる時がありました。
もうこれなしではもう生きられない2。ACTIVE STEP機能。
シーケンサーが1小節を16分音符16個分で割り振っているような構造になっているのですが、この機能を使うと半分の8個にしたり13にしたりすることで普通では思いつかないようなフレーズが作れたりします。また、フレーズの冒頭部分だけをループさせてイントロ感を保ちながらいいとことで16ステップフルで鳴らす、などして展開を作ることができる機能です。これの素晴らしいのは、抜くステップを、その場で瞬時に自分で任意で選べるところですね。知ってしまった今、絶対ないと辛い機能です。
電池駆動可能で軽量コンパクト。
これだけ魅力が詰まっているのに単三電池6本で駆動します!電力どうやって抑えてるんでしょうね…信じられない…。しかもVHS(ビデオテープ)サイズでコンパクト!かすかにスケルトンな筐体なので、演奏中に側面から見ると電気信号に反応して光るLEDが透けて見える!メカメカしくてかなりかっこいいです。
スピーカーも内蔵。
しかも小型スピーカーまで内蔵してます!?これにより少し遊ぶ分にはケーブルから解き放られて好きなところで演奏できます。山のてっぺんでも海底でも!音質は全然よくありませんがアコースティックの楽器のようにいつでもそばに置いておけるので愛着が沸きます!
鍵盤型センサー搭載。
鍵盤の並びになっているセンサーで自由に演奏できます。またシフトボタンを押しながら鍵盤を押しことで様々な機能が使えます。こういった機能の階層も深くなく理解ししやすい構造なのも良心的ですね。やはりvolcaシリーズは即興性のあるパフォーマンスシンセなのですよ!
かなり饒舌になったなご主人…
語れるポイントが実際多い楽器だから許してあげてね!
演奏動画と各パラメーターの説明。
簡単に動画を撮ってみました。ノブは縦割りにセクションごとに分かれているので左側から順に鳴らしてみて変化を撮ってみました。その後適当に入れたフレーズをもとに単機で即興演奏を2曲してみました。
▼スマホ直撮りものも参考までにどうぞ。
各パラメーターの説明
動画内でも鳴らしていますが、各パラメーターの効果をテキストでも書いてみます。
VCO (Voltage Controlled Oscillator)セクション
音の基本となるノコギリ波、矩形波を生成するオシレーターが3つ内蔵されています。それらを使って様々なパターンの音の基本部分を生み出すことができるセクションです。
黒いノブ上方、発音方法の切り替えをします。
- 【POLY】ノコギリ波を発音。3和音まで鳴らせる。
- 【UNISON】ノコギリ波3つで同じ音程を鳴らしたサウンド。
- 【OCTAVE】ノコギリ波2つで基音、もう一つでオクターブ上を鳴らすサウンド。
- 【FIFTH】ノコギリ波2つで基音、もう一つで5度上を鳴らすサウンド。
- 【UNISON RING】矩形波UNISON+リングモジュレーターのサウンド。
- 【UNISON POLY】矩形波3和音+リングモジュレーターのサウンド。
黒いノブ下方、鍵盤で弾いた時の音の高さ切り替えをします。
- 32’が最低音。
- 1’が最高音。
DETUNE
- VCO1 ~ 3それぞれの音程のズレを設定。ずらすことによって音に厚みが出る。
PORTAMENTO
- ポルタメント(ある音から次の音への移行を、途中にある音を経過させながら滑らかに行う技法)の時間を設定。
EG INT
- :EGによる音程の変化量を設定
VCF (Voltage Controlled low-pass Filter)
オシレーターの周波数成分を削ったり強調したりすることで音の明るさや暗さをを調節するセクションです。
CUTOFF
- カットオフ周波数を調整するノブで、左に回すと音色が暗くなり、右に回すと明るくなる。
PEAK
- 周波数のピークを持ち上げ、サウンドにエッジを利かせる。高いままフィルターを下げるとシンセフィルターをいじった時に鳴る特有のサウンドを鳴らすことができる。
EG INT
- EGによるカットオフ周波数の変化量を設定。
LFO (Low Frequency Oscillator)
LFO は低周波のオシレーターで、フィルターや音程に動きをつけることができるセクションです。
RATE
- 動きの速度を決める。右に行くほど早い。
PITCH INT
- 音程にかかる動きの深さを決める。
CUTOFF INT
- CUTOFFにかかる動きの深さを決める。
EG (Envelope Generator)
音の音量を時間的に変化させるセクションです。例えばピアノは音を鳴らしたら鳴りっぱなしではなく徐々に音量が減衰します。ヴァイオリンは弾き始めは音量が小さく徐々に音量が大きくなります。そのような音量変化をつけるセクションです。
ATTACK
- 鍵盤を押してから最大音量になるまでの時間を調整。右に行くほど遅くなる。
DECAY/RELEASE
- 最高音量になった後に音量が減衰するまでの時間を調整。右に行けば行くほど鍵盤を話しても鳴っていて、左に行けば行くほどすぐ消える。
SUSTAIN
- 鍵盤を押してる間に保持される音量。
DELAY
ディレイエフェクターの効果を設定するセクションです。
TIME
- やまびこが反復する音と音の幅を調整。右に行くほど音の反復が遅くなる。
FEEDBACK
- 簡単に言うと反復回数。右に行くほどずっと鳴ってる。
TEMPO&VOLUME
シーケンサーやディレイのテンポやマスターの音量を決めるセクションです。
TEMPO
- 右に行くほど早くなる。真ん中が120くらいなのかは考えたことがない。
VOLUME
- 音量を決める。電流の供給がギリギリの状態で最大音量で運用すると、SYNC時にほかのシンセと合わずにずれることがあった。きちんと安定した電源を使うか真中くらいで楽しむのが吉。
まとめ
すぐいらん事言うなご主人…
コピペしないでちゃんと自分の言葉で紹介記事書いたことは評価してあげて雨くん!笑
本当はシーケンサーの説明もしようと思ったのですが、言葉で説明してもわかりづらく、動画を見てもらえばなんとなくわかると信じてこの辺でまとめようかと思います。(真顔)
シンセの基本構造を知りたい他楽器奏者の方や、鍵盤奏者の方でアナログシンセ未経験の方などにはホント教材としても素晴らしい機材だと思います。何より見た目がかっこよく場所も取らなく、これだけで持ち運んで演奏できるのでかわいい相棒って感じできっと愛着が沸きますよ!
今回紹介した機材はこちらから購入可能です!ぜひ買って遊んでみてください!