volca bass真剣レビュー!クールでダークなディストピアシンセという考え方。
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登場人物
今こそvolca bassを真剣レビュー!ベースマシン業界にTB-303系以外の選択肢を示した、唯一無二の魅力を後世に残したい。
もともとkorgのvolcaは全機種所有しておりましたが、drumlogueを買う為に手放した機種が何機種かありました。
この時KORGのミドルシップモノシンセのmonologueも所持しているし、と私はvolca bassを一度手放しました。
この子の本当の魅力に気付き買い戻した今は、ノブを変えたりスタメン機材席にいたりとかなりお気に入りのシンセです。
今こそ、このシンセが示してくれた新たなベースマシンの可能性を深掘りしつつ、その魅力を記録しておきたいと思います。
よく考えたらぼくがいつも枕にしてるのもvolca bassだな…
運営者、今回は永久保存版の記事にできるように、って張り切ってるみたいだよ!笑
今回レビューする経緯。
そもそも発売から10年以上たったシンセをなぜ今更レビュー?という感じですが、きっかけはvolca bassの魅力がネットに書かれてないと感じたからでした。
せっかくかっこいいサウンドが鳴って、機能面でも利便性でも価格面でも素晴らしいのに全然魅力が大々的に叫ばれていないのです!
YOUTUBEでは様々なかっこいい動画がありますが海外の方が多く日本語の文章で魅力がほとんど書かれてないと思っています。
もったいなさ過ぎる!という事であらためてしっかりいいところもネットの海に残すことでこのベースマシンの偉業を後世に残していけたらと思います。
大きくでたなご主人…。
よっぽどvolca bassが好きなんだろうね!笑
演奏動画とvolca bassならではの魅力。
実演動画とおすすめの使い方。
取り合えず一発撮りで4曲、フレーズを打ち込んで作ってみました。使用した機材はvolca bassとdramlogueとmicrocosmだけです!音太いのにクール!
volca bassの素敵ポイント。
私の思うvolca bassの素敵ポイントです!やはり一番の魅力は機械的でクールなサウンド!
図太く密度が濃いのにクールで透明感のある出音。
まずこれが特筆すべき点です。アナログシンセの音の図太さと、温かみではなくクールさが同居しているのです。(個人的主観)
おそらくこれは、フィルターが透明感があると言われている700Sのフィルターである事が大きいのだと考えています。
いずれにせよとても機械的でクールなサウンドに振ることが出来、これは一般的なアナログシンセの音像にはない大きな魅力です。
3オシレーター。
モノシンセではありますが、音の発信源であるオシレーターが3つあります。
それだけではなく各オシレーターごとにシーケンサーが独立しています!(3チャンネルあるようなものです)
この仕様のおかげで、普通のモノシンセでは出来ない様々な事が出来ます。
- 和音例:オシレータ1をド、オシレータ2をミ、オシレータ3をソ、でC和音を鳴らす。
- デチューン例:1~3のオシレーターがすべてユニゾンした状態で発音しオシレーター2はピッチを少し下げ、オシレーター3のピッチを少し上げることでより主張した広がりがある音像のベースサウンドを鳴らす。
- 個別フレーズ例:別々のリフやフレーズをそれぞれに録音する。
また、各オシレーターはそれぞれ簡単にミュートできるため、展開に応じてミュート解除をしていき密度を上げていくことが出来ます。
もうこれなしではもう生きられない。ACTIVE STEP機能。
シーケンサーが1小節を16分音符16個分で割り振っているような構造になっているのですが、この機能を使うと半分の8個にしたり13にしたりすることで普通では思いつかないようなフレーズが作れたりします。
また、フレーズの冒頭部分だけをループさせてイントロ感を保ちながらいいとことで16ステップフルで鳴らす、などして展開を作ることができる機能です。これの素晴らしいのは、抜くステップを、その場で瞬時に自分で任意で選べるところですね。知ってしまった今、絶対ないと辛い機能です。
volca bassはなんとこの機能もオシレーターごとに設定できます!なのでベースフレーズは固定のままで上物のフレーズだけ変化をさせていく、なんてことも可能です。
電池駆動可能で軽量コンパクト。
他のvolca同様に単三電池6本で駆動します!VHS(ビデオテープ)サイズでコンパクト!見た目が直線系でかっこいいんですよね…!かすかにスケルトンな筐体なので、演奏中に側面から見ると電気信号に反応して光るLEDが透けて見えます!メカメカしくてかなりかっこいいです。
スピーカーも内蔵。
しかも小型スピーカーまで内蔵してます!ベースはあまり聞こえませんし音質もよくはありませんが、気軽に遊ぶ分にはケーブルから解き放られて好きなところで演奏できるのはかなり嬉しいポイントです。アコースティックの楽器のようにさっといじれるので、いつでもそばに置いておけるので愛着が沸きます!
自動チューニング機能。
アナログシンセは温度でチューニングがずれてしまい正しい音の高さで発音しないことがあります。この子は最新の技術を搭載しており、10秒くらい何も触らないでおくと自動でチューニングしてくれます。なにげにすごい機能です。
確かに何を鳴らしても透明でダークな印象だ!
いい意味で臭みのないサウンドだよね!クールな印象っていうのもわかる気がするね!
各パラメーターの説明。
各パラメーターの効果をテキストで書いてみます。
VOLUMEセクション・OCTAVEセクション
最も右にvolume、最も左にoctaveがあります。
VOLUME
- 音量を調節します。右に行くほど大きくなります。
OCTAVE
- 最低音域の1から6オクターブ分上に音域を選択できます。右に行くほど音域が高くなります。
VCF (Voltage Controlled low-pass Filter)セクション
オシレーターの周波数成分を削ったり強調したりすることで音の明るさや暗さをを調節するセクションです。
CUTOFF
- カットオフ周波数を調整するノブで、左に回すと音色が暗くなり、右に回すと明るくなります。
PEAK
- 周波数のピークを持ち上げ、サウンドにエッジを利かせる。高いままフィルターを下げるとシンセフィルターをいじった時に鳴る特有のサウンドを鳴らす事ができます。
LFO (Low Frequency Oscillator)セクション
LFO は低周波のオシレーターで、フィルターや音程に動きをつけることができるセクションです。
RATE
- 動きの速度を決めます。右に行くほど早くなります。
INT
- 動きの深さを決めます。右に行くほど深くなります。
VCO (Voltage Controlled Oscillator)セクション
volca bassは3種類のオシレータがありますが、ここはそれぞれのピッチを変更するセクションです。
PITCH1~3
- 音のピッチを調節します。12時方向から左に行くほど音が低くなり右に行くほど高くなります。
EG(Envelope Generator)セクション
VCAの音量やVCFのカットオフ周波数を時間的に変化させるためのセクションです。
TEMPO
- シーケンサーの再生テンポを設定します。右に行くほど早くなります。BPMがディスプレイに表示されます。
ATTACK
- 音の立ち上がりを設定します。右に行くほど音が鳴るまでの時間が長くなります。
DECAY/RELEASE
- 音の減衰する時間を設定します。右に行くほど音がなくなるまでの時間が長くなります。
CUTOFF EG INT
- ECセクションの設定値がCUTOFFを変化させる量を設定します。右に行くほど深くかかります。
ボタンセクション
様々な操作をするボタンです。一番右のFUNCを押しながら押すことで効果が変わります。
MEMORY
- volca bass はシーケンスを8 つ保存できます。MEMORYボタンを押してからボタンの下にあるステップ・ボタン1 ~ 8を押すと、保存されたシーケンスを読み込みます。
STEP MODE
- このボタンを押すと、ステップ・モードになりSTEP MODEボタンが点灯します。ステップ1 ~ 16ボタンがシーケンスのステップ・ボタンにとして機能します。ボタンを押すと、選択されているオシレーターのVCOパートのステップをオン/ オフします。オンに設定されたステップは発音します。また、録音情報のないステップはオンに設定できません。再度、ボタンを押すと鍵盤モードに戻ります。
▶
- シーケンスを再生します。シーケンスは、必ず先頭から再生を開始します。再生中はボタンが点灯します。もう一度ボタンを押すと停止します。
●
- 録音をします。押してからステップを押してもシーケンスが作動します。再生中でも押すことでその瞬間から録音が有効になります。もう一度押すことで録音を終了します。
VCO1 ~ VCO3
- 演奏または設定をするオシレーターを選択します。選んだオシレーターボタンが点灯します。
ステップボタンとFUNCボタンでのコマンド一覧
ステップボタンは通常は鍵盤やステップ情報として機能しますが、FUNCボタンと組み合わせて押すと様々効果があります。
FUNC+STEP1
- オンにすると各VCOに別々のグループになり、それぞれのシーケンスで動作します。
FUNC+STEP2
- オンにするとVCO1と2が同じグループになり、VCO3が別のシーケンスで動作します。
FUNC+STEP3
- オンにすると全VCOが同じグループになります。
FUNC+STEP4
- オンにするとLFOで音量に変化が起こせます。
FUNC+STEP5
- オンにするとLFOでピッチに変化が起こせます。
FUNC+STEP6
- オンにするとLFOでCUTOFFに変化が起こせます。
FUNC+STEP7
- LFO波形を設定します。LED消灯時は三角波、LED点灯時は矩形波です。
FUNC+STEP 8 ~ STEP10
- 各オシレーターの波形を設定します。LED消灯時はノコギリ波、LED点灯時は矩形波です。
FUNC+STEP11
- オンにするとサステインが有効になり押してる間は音が減衰しません。
FUNC+STEP12
- オンにするとEGで音量も変化させられます。
FUNC+STEP13
- 選択中のオシレーターのスライドをオフにします。
FUNC+STEP14
- 選択中のオシレーターのアクティブステップをオフにします。
FUNC+STEP15
- 選択中のオシレーターのシーケンス情報を削除します。(いじらずすぐやり直すと復活します。)
FUNC+STEP16
- 全パートのシーケンス情報を削除します。(いじらずすぐやり直すと復活します。)
なぜあまり魅力が拡散されないのか。
こんなにかっこいい音がするのに!!!!!
しかも基本の音からしてなかなか特徴的なサウンドだと思います。
それなのになぜあまりその魅力が語られないのでしょうか。
TB-303の存在と比較による「間違っている感」。
volca bassに対するレビューを見ると「見た目は303を意識しているが音は違う」や「もう少しコストをあげてmonologueにした方がいい」など割とネガティブなレビューが多く、それはなぜかと言えばTB-303が示したACIDベースな音が出ないからなのだと思います。
確かにACIDベースの音が欲しいのならばvolca bassは向かないと思います。
ですが303サウンドが出ないベースマシンは駄目で303に似ていれば名機という事ではありません。
確かにベースマシンと言ったらTB-303をイメージしてしまうものな…
色もシルバーでどうしても期待を寄せてしまう気持ちもわかるけど、可能性を狭めてしまう判断はもったいないよね!
まとめ。
いちいち自分の頑張りを主張しなくていいのになご主人…
でもたしかにvolca bassのサウンド面を303と違ってむしろいい、みたいなベクトルで好適にとらえたレビューは見たことないし誰かの参考になればうれしいね!°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°
今回紹介した機材はこちらから購入可能です!ぜひ買って遊んでみてください!
ちなみにフィルターのノブだけ付け替えています。これを買って付け替えました。オシャンやろ?(?)